四国お遍路は今でこそ観光旅行のような扱われ方をされていますが、元々は宗教巡礼に該当します。
世界的に宗教巡礼というと、イスラム教などでメッカと呼ばれる発祥の地を目指して移動するのが有名ですが、少々異なるものです。
世界で行われている宗教巡礼と、四国お遍路の特徴を以下に解説しますので、お遍路をする際の参考になさってください。
なお、四国お遍路巡礼は、世界でも珍しい循環型の巡礼と言うことで、注目されているようです。
海外からの観光客の皆さんが、四国お遍路に興味を持ったり、実際にお遍路をしてみたりする理由が何となく分かりますね。
宗教巡礼のいろいろ
イスラム教
サウジアラビアの都市メッカにある神殿に歩いて向かいますが、修行の一つとされています。
巡礼をする月が決まっており、この時には数百万人の人々がメッカに集まることで有名です。
社会の授業でも習ったことがあると思いますが、テレビなどでも放映され、一同に会する風景は想像を絶します。
キリスト教
キリスト発祥の地とされるパレスチナや、キリストが迫害を受けたエルサレムなどをめぐることが巡礼とされます。
メッカのように聖地とされるところに向かう巡礼の他に、ゆかりのある地をめぐる巡礼もあり、四国お遍路のタイプと似ている部分もあります。
一部では、教会をめぐることもあり、一種の巡礼と言えるでしょう。
四国お遍路のはじまりと目的
元々、四国お遍路で崇められている弘法大師様は、現在の香川県善通寺市の出身であったと言われています。
平安時代に当時の桓武天皇の命により、唐、つまり現在の中国に渡り、真言宗を学んで帰国しました。
以降、教えを広めるべく活動するようになりますが、全国各地行脚し、困っている人を助けて回ったようです。
その証拠に、全国各地で弘法大師様ゆかりの場所を見つかることが出来、弘法の〇〇などという史跡がいくつも残されています。
その弘法大師様が、四国お遍路の元となるルートを築いたのは、当時大災害が起こったことによるものでした。
災害による苦労を少しでも和らげるべく、四国各地のお寺などをめぐりお経を上げていたようです。
その名残として、弘法大師様のめぐった場所をたどる事で、崇めようとしたものと言われています。
なお、今のお遍路のルートが確立したのは、江戸時代と言われており、当時発行された書物による影響が大きかった、とされています。
現代では四国お遍路は、弘法大師様にゆかりのあるお寺をめぐることで、功徳を積み死んでからあの世に行けるようにという願いが込められています。
元々真言宗は、人は死んだ後仏様になることが出来る、つまりあの世に行くことが出来るという教えがあり、信じられています。
現在では観光化が進み、宗教巡礼と言う目的は多少薄らいでいる感もありますが、自分でめぐり功徳を積んだことは決してムダにはならないでしょう。