お遍路めぐりを行う場合、移動する手段を考えなければいけません。
手段としては、バスやタクシーなどのツアーを利用したり、マイカーやレンタカー、バイクなど自分で運転したり。
体力的に一番しんどいのですが、修行の色が一番濃く、達成感が得られる自転車や歩きと言う方法もあります。
お遍路する方の年間巡礼者数としては約5万人とされますが、殆どがツアー客です。
人数の割合としては、バスやタクシーでのツアーは全体の約75%、自分で運転するのは約20%と言われますが、バイクも結構見かけます。
という訳で、今回はツーリングがてら、趣味のバイクを生かして、というお遍路さんについて注意点などを解説していきます。
所要日数と費用
ルートとしては、車とほぼ同じになると考えられますが、バイクは細い道も走れるため若干の違いが生じます。
お遍路の札所と呼ばれるお寺は平地ばかりにあるとは限らず、山のてっぺんだったり、林道を通るところだったりします。
となると車で行くには、不可能に近い状況も想定されるため、ルートが若干異なるのも仕方がありません。
行程距離としては約1400キロと言われますが、札所の空いている時間が関係するためそれほど進めず、一日に約200キロが限界でしょう。
ということは、天候にもよりますが約1週間~10日程度は掛かることになり、毎日公共の宿に宿泊したとなると、15万円ほどは必要になります。
内訳としてですが、以下のように計算することが出来ます。
ガソリン代
1400キロ÷20キロ(1Lあたりの燃費)=70L
70L×140円(レギュラー全国平均)=9,800円
宿泊費
5000円(ホテル素泊まり)×10日=50,000円
食事代
1000円×3食×10日=30,000円
納経代、お賽銭、その他
88箇所×500円+α=50,000円
バイクでの小計
9,800円+50,000円+30,000円+50,000=139,800円
選択するバイクの種類は?
バイクの種類により、特徴が変わってきますが、代表的な例をご紹介します。
スピード、燃費、対応できる道路と目的によって選択することになりますので、十分考えてから選ぶと良いでしょう。
ロードタイプ
舗装路をメインに走るように設計されていますが、タイヤは接地抵抗が大きくかなり傾けても倒れにくくなっています。
エンジンも単気筒のシングル、2気筒のツイン、4気筒以上のマルチエンジン、と呼ばれるものまでありそれぞれ特徴があります。
スピードでいうと、より高回転まで回せるマルチエンジンが有利ですが、燃費となると低回転型のシングルが有利で倍ほど違う場合があります。
なお、ロードと言う名の通り主に街乗りなどで活躍しますが、悪路ではタイヤが滑り役に立たないこともあるので、悪天候時には走らないほうが賢明です。
オフロードタイプ
タイヤも悪路で走れるようにブロックパターンとなっており、排泥性に優れています。
ロードタイプとは違い、あまり倒すと転倒しやすくなるので、注意が必要です。
エンジンはシングルやツインが多く燃費もよく、山道などの舗装されていない道で威力を発揮します。
因みに昔は、ロードとオフロードどちらも走れると謳っていたデュアルパーパスと呼ばれるバイクがありましたが、最近ではあまり見かけませんね。
まだ、一部BMWなどではラインナップされているようですが。
難所と呼ばれる場所、場合
車と同様になりますが、同じ道を通ってもバイクでの疲労度は車以上でしょう。
では、何が要因になるのか、意外な難所、難点として考えられることがあります。
バイクは体を使って方向を変える
バイク特有のことですが、バイクは体で重心移動をし操舵するため、体力を使います。
ハンドルを切れば曲がれるのでは?と乗らない方からは思われがちですが、ある程度以上のスピードになるとそれでは転倒してしまいます。
その場合、曲がるためには体を傾け、バイクの方向を変えてあげる必要が出てきます。
これをカーブの度に行うので、以外に全身運動となっており、宿に着くとドッと疲れを感じることがあります。
バイクは体がむき出し
バイクは車のように、シートに座るものではなく跨る物ですし、雨や風から体を守ってくれるボディーもありません。
ということは、常に体は雨や風に晒されることになります。
カッパを着て雨を防いだり、厚着をして風を防げば良いのですが、体温が奪われたりすることで、以外に体力を奪われてしまいます。
それに、ヘルメットのシールドが曇り視界不良になったり、路面が滑ることを気にしたりと、精神的にも疲弊しやすくなります。
悪天候時は以外に神経を使うので、無理は禁物です。
バイクにとっての難所
バイクは2本のタイヤで接地しており、非常に摩擦抵抗が低いことでも知られています。
一説によると、ハガキ半分程度の面積とも言われますが、相反するメリットデメリットにもなっています。
接地面積が小さいと言うことは、転がり抵抗が低いということですので、加速するには少しの力で良いということになります。
しかし、逆に止まる時を考えると、転がり抵抗が小さいイコール止まりにくい、と言うことになり転倒しやすくなるでしょう。
ロードバイクもオフロードバイクも、市街地であれ山であれ注意すべき箇所がたくさんあり、どこでも難所と言えます。
例としては悪天候時はもっとも警戒すべきですが、雨が降っている時の工事中の鉄板や道路に引かれたラインが滑りやすくなっています。
山道では、流れ出た土砂や落ち葉が滑りやすく、昇りも下りもどちらも危険な難所と化します。
バイクは軽快な分、事故をしたときの怪我は大きなものになりますので、天気が悪くなりそうならお遍路めぐりを断念し、休養日にするなどされると良いでしょう。