お遍路道中で高知県の38番金剛福寺を通過しますが、前の札所である37番岩本寺から約100キロの道のりで札所間としては最長です。
歩きで移動した場合には約3日ほど掛かる計算になり、少々だらけてしまいます。
やっとの思いで到着した金剛福寺では、ドッと疲れが出てしまいもう動きたくなくなってしまいます。
すぐ近くには足摺岬がありますが、切り立った崖があり、一時期は東尋坊と並んで自殺の名所とされた場所です。
それだけに、崖に近寄ると吸い込まれそうな異様な雰囲気がありますので、興味本位で近寄らないほうが良いでしょう。
名所という一面もありますが、お遍路との深い関係もありますのでそちらを解説していきます。
観音の住むところ
この足摺岬は、補陀洛(ふだらく)と呼ばれる場所に一番近いとされています。
つまり、観音の住むところですが、ゆえにパワースポットとしても知る人ぞ知る場所になっています。
お遍路ツアーでも必ず訪れるほどのスポットですので、よほどのご利益があるのでしょう。
なお、金剛福寺は弘法大師様によって開行し、広い敷地に有名なもののちらほらとあります。
境内には池があったり、木々がたくさんあったりと、お寺とは思えないような一種の日本庭園といった感じもします。
ここのご本尊様は三面千手観音といって、非常に珍しいものらしいですが、年に3回のみ公開されるということで、なかなか見られないので興味心をくすぐられます。
建物もキレイで、堂塔がたくさんありますが、やはり観音様に近い場所というだけあって立派なものです。
因みに、この金剛福寺では、歩きお遍路さん限定でちょっとしたお接待が受けられるので行ってみると良いでしょう。
私もお接待していただきましたが、納経所の方が見て歩きお遍路と分かったのでしょう。
予期せぬことでしたし、疲れもあったので非常にありがたいと感じました。
名物を見られる場所
このお寺にはもうひとつ有名なものとして、亀の像があります。
大師亀と呼ばれるものですが、弘法大師様が海上にある不動岩と呼ばれるところで修行をした際に、亀に乗ってこの岩に渡ったとされています。
浦島太郎のような話ですので、信憑性は定かではありませんが、願いを唱えながら亀の頭をなでると幸せになれると言われています。
さらにもう一つ、足摺岬で見られるものがありますが、台風などが近づいている時にしか見られない、波の華です。
私が納経所の方と話をしていた際に、今日は波の華が見られるかもしれないから岬に行ってみたら、と言われ見に行くことに。
道路を挟んですぐ岬になりますが、何やら綿のようなものが飛んできており、顔に付いたりして少々邪魔に感じていました。
実はそれが波の華で、華というので植物の花をイメージしていましたが、実際には泡風呂の泡のような感じのものになります。
波が高く打ち付けられ、かつ風が強い日で無いと見られない現象ですが、波の華を見たのはこの時だけでした。
他で見られるとすれば、冬の日本海などですが、寒くて吹雪になっているところで凍えながら、と考えると見に行くのも憚られるでしょう。
年に数回見られるそうですので、見れたらラッキーですね。