お遍路の移動手段として現在では、バス、タクシー、マイカー、バイクなど動力に頼るものが多数ですが、基本は自力です。
つまり、自転車や歩きによるお遍路めぐりが、昔からのスタンダードということになります。
とは言え現代では、文明の力を利用して、動力に頼るというのはある意味自然な流れかもしれません。
そんな中、わざわざ自分に苦労を課し、修行という名の元歩きを選択する方もいらっしゃいます。
自力と言うことで、自分の体のみが頼りと言うことになり、厳しいことは言うまでもありません。
では、歩きで回った場合、距離と所要日数はどの程度掛かるものなのか、苦労するポイントと共に解説していきます。
目次
88箇所回ると
四国お遍路を歩きで行うと、全工程は約1400キロになると言われています。
昔からの遍路道を進んだ場合ですが、一部無視してショートカットすれば、もう少し短くすることは可能だと思います。
ただ、しっかりと昔に倣って、お遍路道を進む方が多いと思います。
お遍路道のルートには意味があり、人生を模して作られています。
途中でショートカットして、楽をするのもいいですが、そこは個人の人生のようで性格が表れるでしょう。
よほど時間に制約がある以外は、きちんとしたルートを通ることをお勧めします。
最短で何日程度掛かるのか?
歩くスピードは人それぞれですが、以下のようなペースが考えられます。
モデルケースとしてご参考にされると良いでしょう。
標準的なペース
札所を回り、読経をすることを考えると、1日に30キロ歩ければいい方だと思います。
ペースとしては時速3~4キロで8時間歩き、24~32キロという形で、完了まで約40~50日程度となります。
普段から歩いている人、体を動かしている人はこのペースで計画を立てると良いでしょう。
ゆっくりのんびりペース
普段あまり歩かない方や、ご高齢の方などは、時速2~3キロというペースでゆっくり進めるのが良いでしょう。
1日に15~20キロ程度しか進めませんが、焦らず、ゆっくりのんびりと歩くことで、目に入る景色も、感じることも多くなります。
人によっては、毎日歩かずに、休養日を設けている場合もあり、全工程が終わるまでには3ヶ月ほど掛かる場合もあります。
健脚ペース
上を見ればキリがありませんが、歩くのが速い方は時速5~6キロという最速ペースの方もいます。
単純計算で1日に40キロほど、全工程完了まで30日程度という驚異的なスピードです。
もはや、それはお遍路なのか?という疑問も生じますが、回り方は人それぞれですので達成したことには変わりありません。
ただ、あまりに速い場合は、どのお寺を回ったのかの印象も薄くなりがちで、単なるスタンプラリーになる可能性もあります。
ゆっくりのんびり時間を掛けて、一寺ごとに思い出に残していく位の余裕があっても良いかと思います。