お遍路めぐりで高知県に入ると、最初に訪れる札所は24番最御崎寺(ほつみさきじ)になります。
徳島県最後の23番薬王寺を後にしてから、約60キロほどあり、歩きなら約2日間掛かることになります。
この間、海に沿って進むことになりますが、歩いても歩いてもたどり着かないため、正直飽きてくるでしょう。
私も汗をかきながらひたすら進んでいましたが、いくら移動しても着かないので、途中でイヤになりだらけてしまった記憶があります。
観光としては、宍喰温泉や、ホエールウォッチングなどが有名ですが、観光目的ではないのでそちらを楽しむかどうかは微妙なところです。
因みに、個人的には鉄扉がある集落を見つけた時には、ちょっと”何の秘密施設だ?”と驚きましたが、台風から防御する意味だそうです。
台風の上陸ポイントとして知られる室戸ならではの光景も納得できます。
余談ですが、私は東北出身ですが高知県をお遍路している時に台風が直撃しました。
雨量もさることながら、横殴りの風やシャワーを浴びているかのような温かい雨に驚き、東北での台風など大したことないなと痛感しました。
まあ、中だるみを防ぐためのリフレッシュと割り切って、そのような名所を回るのもいいですが、お遍路をしていると言うことで、そんなことはけしからん、と考える方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、弘法大師様ゆかりの名所をご案内いたします。
目次
空海と名付ける元となった御厨人窟と神明窟
徳島県から進むと、室戸岬の最御崎寺近くに御厨人窟(みくろど)と神明窟(しんめいくつ)呼ばれる洞穴があります。
弘法大師様が若い頃に修行を行っていたとされる場所ですが、自らを空海と名乗るようになった場所とも言われています。
一説には、修行の際に明星(流れ星と思われる)が飛び込んできて悟りを開いた、と言われ空海と名乗るきっかけになった場所としても伝えられています。
因みに、数年前の落石により洞穴内の立ち入りが禁止されていましたが、2018年末に解除となったようですので行ってみるといいでしょう。
パワースポットとも言われる場所ですので、何かを感じられるかも。
弘法大師像
こちらも室戸岬に向かう途中、国道55号線沿いホテル明星の斜め向かいで目にすることが出来ますが、高さ20メートルほどの白っぽい弘法大師像が立っています。
真言宗派のお寺である、明星来影寺(みょうじょうらいえいじ)に1984年に立てられとても目立ちます。
青年大師像と呼ばれ、金剛杖を持ち、菅笠を被り、海に向かって仁王立ちしている様は、圧巻の一言です。
因みにこの1984年は、弘法大師様が高野山奥の院に入定から1150年の御遠忌にあたります。
この像の内部にも入ることが出来ますが、曼荼羅の世界が表現されていますので、驚くことでしょう。
像の足元を見ると、四国の形になっており、札所88箇所の位置も示されています。
すぐ後ろには、涅槃像が背中合わせに寝そべっていますが、ふて寝しているようにも見えるのでちょっと滑稽に感じます。
この場所は上記の御厨人窟の数百メートル北側に位置しますので、うっかり通り過ぎた場合は戻ってみると良いでしょう。
以外にキツイ道が多い室戸岬
県道を歩き最御崎寺を目指すことになりますが、山の上になります。
標高差で言えば、200~300メートルはあり、想像通りのキツイ上り坂が続きます。
灯台も設置されるようなところなので、当然でしょうけど、”約60キロ移動した最後にこれ?罰ゲームですか?”と愚痴ってしまいたくなるほどです。
なお、このお寺には宿坊があり、格安料金で泊まれるようですので利用してみてはいかがでしょうか。
歩きお遍路さんには、お接待として割引がされるようです。