コロナ禍やロシアによるウクライナへの侵攻などで、人の命や死について考えさせられる状況が続いていました。
この世に生を受けたすべての人が避けられない「死」は、古代から人の生き方に対するさまざまな人生観や哲学も生み出されています。
そんな「死」を感じさせる状況に対峙したとき、不思議な体験や怖い話といわれる霊体験をする人も多くいるようです。
ここでは、人生の四苦八苦と向き合う仏教の教えと密接に関係する「お遍路」での、怖い話や不思議な体験談について、ご紹介します。
お遍路にあった怖い話や不思議な体験は?
お遍路でめぐる四国の八十八ケ所の霊場は、空海の修行と関わりのある場所とされ、人の命や死と密接に関わる寺院でもあるため、日常とは違う不思議な体験をする人も多いようです。
霊場と呼ばれる場所は、元々人里から離れ浮世と距離があるうえ、ひとつの場所から次の場所へ移動するだけでも、精神的にも肉体的にも負担が大きいものです。
それゆえ、普段にはないストレスと疲れも蓄積し、過敏となった精神状態ゆえに、目の前に起きる現象に霊的な要素を感じることも多いようです。
とはいえ、お遍路の中でも歩きのみで霊場をめぐる人には、道標があり得ない表示で道に迷ったり、上り坂と下り坂の感覚が麻痺したり、周囲に人がいないのに声が聞こえたりといった怖い話や、不思議な体験を語る人も多々見受けられます。
お遍路の怖い話や不思議な体験の裏には?
お遍路での怖い話や不思議な体験の原因には、地元のごく一部の人による悪質な悪戯のケースもあり、すべてが心霊現象とも言い切れません。
ですが、人の命や死に特別な思い入れと救いを求めるお遍路さんたちの思いと、仏教修行される霊場の空気感が、普段ではあり得ないことが起きているようです。
その一方、見知らぬ土地で苦行を遂行するお遍路さんに対し、「お接待」という文化で受け入れてくれる地元の人々が、さまざまな窮地を救ってくれたという体験も多く披露されています。
霊場巡りに利用される宿で霊体験をしたなど、不思議な体験の裏には、不遇な状況で亡くなった人々が、空海僧正と同行するお遍路さんに救いを求める思いがあるのかもしれません。
お遍路さんが体験する怖い話や不思議な体験の裏には、人が無意識に抱く目に見えない世界に対する不思議な感覚があるのかもしれません。
お遍路さんの不思議な体験や怖い話の表裏
生を受けた人が避けられない「死」に対し、空海僧正が人の生死を考えながら修行した四国の八十八ヶ所の霊場には、さまざまな人の多様な思いと過酷な自然環境が共存しています。
そんな霊場をめぐるお遍路では、日常とは違う精神と肉体の状態から、不思議な体験をする人も多く、心霊現象を体験した怖い話も多く公開されています。
その一方で、四国の住民には、空海僧正とお遍路さんへの想いが深く、「お接待」という独特の文化が根付き、さまざまな局面でお遍路の窮地を救ってもいるようです。
四国お遍路で語られる怖い話や不思議な体験には、関わる人々の多種多様な想いと自然環境のなかで、通常は考えられない事象を引き起こしているのかもしれません。