お遍路めぐりをしようと考えている方の殆どは、観光が目的だと思います。
実際に、お遍路人口のうちバスツアーが大半を占めており、最近では海外からも参加する方が増えています。
この海外から注目されている理由のひとつに、宗教巡礼ということがありますが、四国お遍路は特殊です。
循環型の宗教巡礼であることから、ある意味回ろうと思えばいくらでも回れるというものです。
世界で見られる宗教巡礼としては、ゆかりの地を目指して往復するものが大多数ですが、ぐるぐる回るので珍しいようです。
このように注目されているお遍路めぐりですが、ご利益は回り方や時期によって変わるのも、特徴として挙げられます。
どのような場合にご利益が倍増するのか、以下に説明していきます。
逆打ちのご利益
お遍路めぐりには、札所の巡り方がいくつかあります。
順打ち、逆打ち、区切り打ちなど、いろいろな回り方がありますが、お遍路さんが自分で決めて良いことになっています。
このうち、逆打ちがご利益と関係するのですが、順打ちの倍ほどご利益があるといわれています。
理由としては、昔から順打ちが殆どと言うことで、ガイドブックや順路地図なども順打ち用のものばかりでした。
それに歩きお遍路をしていると気付きますが、順路を示す看板が立っています。
これも順打ちの方向を示すものが圧倒的に多く、増えてきたとはいえ逆打ちの順路を示す看板は少なく見つけにくいものです。
結局、順打ちより苦労をすることになり、苦労した分功徳として順打ちより積みあがるというのが、逆打ちの方がご利益があるといわれる所以です。
もう一つの理由に昔から伝えられる逸話があります。
衛門三郎という人が、弘法大師様の托鉢のお椀を叩き割ったことで次々と不幸が起こったため、懺悔の旅に出て弘法大師様に会いに行くというものです。
弘法大師様が順打ちで巡っていたため、逆周りで進めば会えると考え結果的に会え、許してもらったというものです。
ただ、この逸話には疑問の声もあるので信憑性は確かではありませんので、苦労した分功徳が積める、と考えた方が理にかなうと思います。
うるう年も関係する
お遍路めぐりをうるう年に行うと、ご利益が3倍になると言われています。
これは、前述した衛門三郎が弘法大師様にやっと会えたのがうるう年、という理由によるものです。
因みに前回のうるう年である、2016年にはこのご利益を知った人たちが殺到したようで、観光客の数も増えたそうです。
ここで更にご利益を得る方法を思いつきますが、何だと思いますか?
逆打ちもご利益があるということで、うるう年に逆打ちすればご利益は更に増えることになります。
この機を逃す訳には行かないとばかりに、お遍路に殺到するのでしょうがちょっと疑問に感じますね。
他人の幸福を願ったり、不治の病を治すを目指すのなら良いと思いますが、自分が誰よりも幸せになりたい、お金持ちになりたいと思ったらどうでしょうか?
人間の強欲の表れにも見えてしまい、仏教の教えである無欲に反する結果になってしまうでしょう。
欲があるのはいいのですが、ほどほどにした方が良さそうです。