お遍路めぐりを行う場合、やり方は作法に則り行う必要がありますが、掛かる時間は人それぞれまちまちです。
大きく影響する部分としては、般若心経含め読経をする場合でしょう。
読経を本堂と大師堂にてそれぞれ行うわけですが、この行為を納経と呼んでいます。
納経をした後、納経所と呼ばれるところへ行き、納経帳や判衣に納経した証を書いてもらったりします。
今回は、納経することに関して詳しく解説し、時間をどの程度掛ければ良いのかなど解説していきます。
読経する順序
真言宗ですので、般若心経をメインに読経することになりますが、他にも読むべきお経がありますので以下に紹介します。
なお、お経もスピードより正確さ重視でないと心がこもりませんので、ゆっくり丁寧に唱えるようにしましょう。
早口では、仏様も聞き取れず、願いを聞いてもらえないかもしれません。
〇開経偈(かいぎょうげ)
お経を始める前に唱えるもので、仏様を賞賛する言葉になります。
〇懺悔文(ざんげぶん)
文字通り今までしてきた悪いことを悔い改め、改心すると言う意味で唱えます。
〇三帰(さんき)
本来の意味は、私は仏門に入ります、ということらしいですが信心深さを表すものです。
〇三竟(さんきょう)
深い信仰心を表す言葉で、仏様を信じていますという意味合いがあります。
〇十善戒(じゅうぜんかい)
殺生しない、盗みをしない、淫らな事をしない、嘘をつかない、お世辞を言わない、悪口を言わない、二枚舌を使わない、欲張らない、怒らない、誤った見方をしない。
お遍路の道中ではこれらの行動は慎むようにしましょう、せっかくの功徳が無くなってしまうかも知れません。
〇発菩提心真言(はつぼだいしんしんごん)
仏様にすがると言う意味ですが、必要と言う意味の表れでしょう。
〇三摩耶戒(さんまやかい)
悟りの境地と言う意味ですが、三摩耶が平等と言う意味を持つことから、仏様と自分が平等という解釈もあるようです。
〇般若心経(はんにゃしんぎょう)
広く知られたお経ですが、仏様の教えを短縮したバージョンになります。
因みに短縮しない場合は、約500巻にも及ぶ経典すべてを読むことになりますが、読み切るには相当な時間が掛かるでしょう。
ましてや、各札所でこれを読め、と言われたらイヤになってしまうでしょうね。
〇光明真言(こうめいしんごん)
災いから守ってもらうために唱えるもの
〇御宝号(ごほうごう)
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)と唱えますが、弘法大師様におつかえしますという意味になります。
〇回向文(かいこうぶん)
全ての人が平等に成仏できますように、という意味が含まれています。
一つの札所に掛かる時間
一箇所のお寺、つまり札所に入ると本堂などの場所が、入ってすぐの場所にあるお寺もあれば、さらに山に登らないとたどり着かない場合もあります。
ろうそくや線香を点けたりする時間はさほど変わりは無く、一つの札所で掛かる時間を大きく左右するのは、移動時間と読経時間、それに納経所での時間となります。
門から本堂と大師堂、納経所が見える場合には、読経に掛かる時間が15分程度、×2箇所で約30分。
それに納経所で書いていただく時間が約5分とすると、30分強でお寺を後にすることが出来ます。
ただ、初心者の場合は、読経も思うように出来ず、躓きながらになるため時間は想像以上に掛かってしまうでしょう。
私の場合、うまく読めない頃には、読経だけで本堂1箇所で20分ほど掛かり、×2箇所に加え、ろうそくや線香への点火も足すとそれだけで45分位は掛かっていました。
納経所では誰もいなければ5分で終了ですが、バスツアー客の納経帳のまとめ出しなどに遭うと最悪で、時には待ち時間30分などと言うこともありました。
一箇所の札所で一番掛かった時間は約1時間半で、読経や納経所渋滞、本堂や大師堂が遠い、ろうそくに火が点かないなどいろいろ重なってしまいました。
読経など自分の努力がが足りない部分は納得できますが、納経所渋滞などは不可抗力なので正直勘弁してほしいと何度か思いました。
ツアーと個人で窓口を別にしてくれないかな、と思うこともしばしば。