お遍路グッズの菅笠に書いてある文字の意味

お遍路の正装として、頭には菅笠、服装は白衣、首には輪袈裟、突いて歩く金剛杖があり、それぞれに意味があります。

菅笠は道中で亡くなった場合顔に被せるもので、棺桶の蓋に相当します。

白衣は死に装束であの世に行く場合の正装、輪袈裟は簡易的な袈裟とされお坊さんが着ている袈裟に相当します。

金剛杖は、墓標の代わりとなるもので、弘法大師様の化身とも称されるものです。

これ以外にも、頭陀袋(ズタぶくろ)、数珠、鈴なども持っていかれる方もいらっしゃいます。

このうち菅笠には、文字が書いてあるのですが、意味があります。

どのような意味があるのか、意外な効果についても解説して行きます。

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文字の正体

菅笠には迷故界城、悟故十方空、本来無東西、何処有南北、梵字、同行二人と書いてあります。

前者4つは、葬式を行う際に棺桶の上掲げられる文字として使われていましたし、現在でも天蓋や骨壺の蓋などに書く風習も残っている地域があります。

棺桶の蓋と前述しましたが、本来棺桶の上に書かれる文字を菅笠に書くことで、死と隣り合わせの巡礼の旅を行っていたようです。

これだけでも昔のお遍路めぐりは過酷で、遊び半分では無かったと言う事がお分かりになるでしょう。

お遍路めぐりをするということは、いつ死んでも後悔しないと言う気持ちの表れだったのかも知れません。

梵字についてですが、これは弥勒菩薩様と弘法大師様を示すもので、仏教での偉大な方ということになります。

最後の同行二人ですが、ひとりで巡礼をしていても、弘法大師様が一緒に回ってくださっているという意味を持っています。

弘法大師様は高野山奥の院にて、現在も修行を続けられていると考えられ、魂はお遍路めぐりを続けていらっしゃるという考えがあります。

辛くてもいつも一緒にいてくださる、という励ましの意味があるようです。

余談ですが、金剛杖を宿に入る場合に、地面に接する部分を洗うのですが、弘法大師様の足に見立てているためですので、覚えておくといいでしょう。

粗雑に扱うのは論外ですし、罰が当たるでしょう。

以外な使い方

と、ここまでは信仰心の強さとともに、意味を考えたわけですが、現代ではあまりこのような意味を理解している方もいないと思います。

菅笠は、単なる日よけにしか思っていない方も多いでしょうが、いろんな使い方が出来ます。

○メリットとしての使い方

日よけ防止のために被るというのが主な目的になりますが、以下のような使い方をすることで有効に利用できるでしょう。

熱中症対策

日よけになると言う事で、頭に当たる直射日光を防いでくれますが、通気性が良いので更に熱中症対策に効果が期待できます。

雨避け

多少の雨なら防げるため、頭を濡らすことがありません。

それに、両手が空くので、ろうそくや線香に火を付ける時も、読経の際に教本を広げる時も邪魔になりません。

日常生活でも両手が空くことで、利便性が向上するのでかなり有効だと感じます。

害虫対策

山の中を歩く場合、いろんな虫がたくさんいることになります。

ハチ、毛虫、ヒルなど、頭上から降ってくる場合もあり、突然頭の上にくっ付いた時はパニックになってしまいます。

特に毛虫には刺すものもおり実害もありますし、ヒルは人の呼気を感知して寄ってきます。

どちらも木の上などから突然降ってくるので、頭ならまだ振り払えますが、首筋から服の中に入ったら。。。と考えただけでもゾッとしますがそれを防いでくれます。

デメリットは?

デメリットとしては、二つほどありますが、工夫することで改善できる場合がありますので試して見てください。

擦れやすい

菅笠の内側には、頭に被る部分が丸くなっています。

被っているため、歩きなどで動くと擦れて、キズが出来ることがあり、汗をかくと非常に沁みます。

大きすぎたり、小さすぎたりとサイズが合わない場合に多いのですが、ピッタリサイズでも汗などで膨張したりするので、擦れが生じやすいでしょう。

対策としては、タオルを巻いてから被るとか、間に何かを挟むといいでしょう。

風があると使えない

直射日光や雨には効果があるのですが、風が吹くと、ズレてしまいます。

風がある日には、単なる邪魔もの扱いにしかならないので、リュックに括りつけるなどしておくといいでしょう。

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